ホームページを作るというのは情報を発信するための道具であり、いろいろなツール が存在する。
大学でサーバを作っていたころは、HTMLエディタもろくなものがなかったので、ほとんど手打ち。のちにNetscapeのエディタが出てくるが、現在のホームページ制作ソフトのようなページ連携の考えはなく、1ページづつ作って自分でリンクを修正するようなものだった。このように、初期のホームページ制作では、Netscapeの付属エディタや、MicrosoftのFront Pageなどを使うことが多かった。その後、ウェブ制作会社では王道のDreamweaverを用いつつも、でも結局はメモ帳で頑張るなんてことをしてきた。
ホームページを作る上で一番困るのが、1ページを追 加すればすべてのページのメニューを調整しなければならないことである。一人で作っているときには問題ないのだが、複数の人間で、特に別のパソコンや、多拠点で作っていると、最新版がどれになっているのかがわからなくなっていく。
そんな問題を解決する方法を模索していて、CMS:コンテンツマネージメントシステムというので出会ったのである。今でいうクラウドみたいなものだ。クラウドなんて新しい言葉を使っているが、結局のところASPと呼ばれてた、サーバアプリケーションなのだと思うのだが。ファッションの言葉もそうだが、なんか目新しく感じさせるのが好きだよなあ。
Dreamweaverや、初心者に人気の?ホームページビルダー(なぜかIBM製)などはパソコン上で作成するため、複数の人間が、多拠点からホームページをメンテナンスするには向かない。なので、ホームページ制作会社にホームページの制作を頼むと、一字一句直すのもホームページ屋まかせになり、きれいけど、情報を発信したい人は結局のところ、ウェブの知識が全く成長せず、ホームページ制作会社におんぶにだっこという状態になってしまった。しかも日本のホームページ制作会社は紙媒体で物事を考える印刷屋が片手間に作っていたからさらにたちが悪い。印刷屋のおかげで、日本人だけ扉ページの考え方や絵文字がいっぱいのページの考え方が定着した。本当に悪癖である。もともとHTMLは論文を掲載するために考案されて、アメリカ人はindex.htmlが示すように最初のページは、インデックス、つまり見出しページで導線なのである。
さて、CMSに話をもどそう。CMSの利点はデザインを気にせずに情報をどんどん追加できることである。プログラマというのはものぐさ人な人ほど腕がいいと感じる。面倒で同じように繰り返すことは、コンピュータにさせればよい。つまりプログラムにすればよいという結構単純明快な発想から、CMSは生まれだしたと考えている。CMSを使うと、だれがやっても、デザインを崩すことなく、あるいは気にすることなく、情報の発信ツールとして使える。「デザインを崩すことなく」というところが実は一番大切である。
Dreamweaverなどのソフトを使うと、どうしても加工箇所の間違いから、デザインが崩れていくということを多々経験した。本当に1文字の過不足で問題が発生するので、直すのが大変なのである。なので、ホームページ制作会社はお客様に作業をさせることを嫌い、口実として使われる。ホームページ屋におんぶにだっこの状態になっている企業も多いだろう。往々にして、5ページから10ページぐらいしかない、10万円~50万円位で作ったホームページで満足している社長は、残念ながら会社を成長させるつもりがありませんと言っているようなものである。
会社のホームページを作ることで、自分の仕事がなくなるのではという営業さんが良くいるが、これは真逆である。中小企業のホームページを作る際に、営業マンが一番遠いところに構えていて、総務に任せっきりである。私から言わせば、営業マンや社長自らが一番頑張らなければならないところである。ホームページを見る人、つまりお客様のニーズや要望を的確にとらえているのは、やはり営業マンや社長自身である。なんで総務に任せっきりなのかがいまいちわからない。中小企業の会社案内の薄っぺらいこと。これは改善の余地ありである。
ところで社員ブログや社長ブログがはやるようになってきたが、これは仕事に繋がるのかよくわからない。私情を見せて仕事が取れるとしたら、昔やってみてやろうと思ってお客がのってこなかった盆栽ブログのような高尚な趣味だろうと思う。でもそれも情報が氾濫しすぎて意味をなさないかもしれない。
CMSの利点は、まぁ今のご時世WORD位は使えると思うが、それよりも簡単な「メモ帳」で文字が打てれば十分である。その程度で十分に情報発信ができるということだ。